漓江上り、終着点
漓江上りからバスで帰ってくると、北バスターミナルに降ろされた。
ここは、桂林と陽朔を結ぶバスが15分間隔で出ている。
地球の歩き方の地図には載っていない。
帰り方がわからないので、バイクタクシーで西街に戻る。10元。
まだ夜には時間があったので自転車をレンタルして周辺をサイクリングしてみることにした。
夕方まで3時間くらい借りて10元(約160円)
陽朔はサイクリングがメジャーな楽しみ方。
いたるところにレンタル屋があるのでデポジット100元で気軽に借りることができる。
道も広くて自転車で走るのに適している。
陽朔から5キロ離れた福利古鎮景区を目指すことにした。
これがまた、失敗だった。
まず、福利古鎮景区は東の方面にあり、こっちはサイクリングをする人がほとんどいない。
大抵の人は見所の多い南に向かって自転車を走らせる。
人は少ない上に、トラックやら大型車がバンバン横を通り過ぎていき、
いくら道が広いといっても結構こわい。
そして、砂埃。。。
全然、気持ちいいサイクリングとは言えなかった。
途中にはトンネルもあって、ここはギリギリ人が一人歩けるくらいの歩道しかない。
そして、いくら自転車をこいでも全然目的地に着かない。
ひょっとしたら道間違えてんじゃね?という不安を抱えながらひたすら進む。
1時間くらい必死で漕いで、そろそろ諦めようかなと思い始めた、
そんな時、目的地に着いた。
地球の歩き方によると、
ここは陽朔三大古鎮のひとつ。
人々は今も、川沿いの古い家並みが残るこの村で静かに暮らしている。
この村は、扇画と呼ばれる山水画を描いた大きな扇子の産地で、
いたるところで、扇子を作っている様子が見られる。
いつも静かな村だが、2、5、6のつく日には市が立ち、多くの人でにぎわう。
とのこと。
時間は夕暮れ時だった。
古い家々に暮らす人たちは電気もつけずに、暗闇の中で夕食を摂っていた。
埃くさいような、かび臭いような匂いが家から漂ってくる。
古い、廃墟の匂い。
人の生活を覗き見るのはなんとなくバツが悪い。
違う世界で生きる人の生活を垣間見たいと、興味津々で生活空間にずかずかと入っていき、
写真をバシャバシャとる旅行者は多い。
特に遠出して、人種が全然違う国にいくと旅行者は無礼になりがちだ。
僕はそういうのが苦手だった。
なんだか、罪悪感を感じる。
何を期待してここに来たんだろうね。来なきゃよかったな。
と少し後悔しながら町を歩く。
そこに生きる人たちがあまりにも普通に生活をしていて、旅行者を暖かく迎えるような観光地化された雰囲気が
微塵も無かったからかもしれない。
暗い雰囲気の町に感じたのは夕暮れ時だからだろうか。
扇画を売っている店もいくつかあったけど、どこもひっそりと店仕舞いを始めていた。
帰ろう。
そういえば今日は川上りに出発してから何も食べていなかった。
夜の西街はまるでお祭りのようだった。
町の川沿いにはレストランのテーブルが並び、いい雰囲気。
いたるところでバンド演奏が行われている。
だけど、隣通しの店で演奏をするもんだから、二つの音が混ざり合って大変不快だ。
そういうちょっとした気遣いのできない中国らしいところが面白い、
けど、そうはいっても我慢できないくらい絶対音感を持ってる僕には甚だ不快だった。
それを除いたら雰囲気は素晴らしい。
中国でバックパッカーが来るべき町としては歴代二位ではないだろうか。
一位はもちろんラサだよね。
夕食はこんな感じで、川魚のしゃぶしゃぶを一人でたらふく食べてビールを飲んだ。
最高っす!これで189元(約3000円)まあ、安くないよね。ここは思いっきり観光地です。
そんな感じでのんびりと陽朔最後の夜は更けていった。
翌日は一日サイクリングいきまっせ。
つづく。
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