前日、大学生みたいにケンタッキーでオールしたせいで、眠い。
しかし、オールしたおかげで寝坊しなくて済んだともいえる。
朝の広州駅。
なんだかどんよりしている。けど、それがまた中国らしい。
道行くおばちゃんのパンダTシャツがなんともいい味を出している。
バス停にいくと、しっかりと桂林(陽朔)行きの看板があった。
陽朔は桂林に行く途中にあって、桂林行きのバスに乗って、1時間30分くらい手前で降りることになる。
暇つぶしにバス停の電光掲示板を眺めてみた。
アモイまで260元(約4200円)か。
上海にもいけちゃう。435元(約7000円)。
これって安いのか、高いのか。飛行機と比べて全然安くないよな。
それにしても中国も物価が高くなったな。
そういう意味では中国のお得感はもはや薄くなってしまった。
これも時代のせい。
バスは時間通りに出発する。
これが乗ったバス。
中はこんな感じ。スポンジのような座席でぼろぼろだけど、幅は広いので高級と言っていいかもしれない。
道中は、ケンタッキーオールで疲れてたので、せっかくの車窓の景色も見ずに爆睡した。
途中、昼食休憩に一時間くらいパーキングへ寄る。
パーキングには山のようにカップラーメンが売られている。
おじいちゃん、おばあちゃんも、おとうさんも、おかあさんも、子供も、赤ちゃんも、
みんな一斉にカップラーメンを食べ始める。
さも、これが決められた行事であるかのように、家族そろってみんなカップラーメンを啜っている。
異様な光景だ。
日本では子供にカップラーメンはあまり与えないだろう。
少なくとも、僕は物心つくまで食べさせてもらえなかった。
初めて食べたカップラーメンの感動するほど旨かったことよ。
こんな不味そうなもんよく食えるなと、半ばバカにしていたのだが、
あとで僕はこのカップラーメンの旨さを身をもって知ることになる。
それはこの旅が終わった後の話。
陽朔に向かうバスは、少し遅れながらも着実に僕を目的地へ運んでくれた。
次第に、外の景色が、それらしい地形に変わっていく。
つづく。
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