福建 土楼への旅 5 龍岩という町

龍岩という町について、「地球の歩き方」にはほとんど載っていない。
そこに何があるのか、どういう場所なのか全くわからない。
人口54万人。
それなりに大きいこの地方都市には、土楼という目的がなかったら訪れることはなかっただろう。
バスは夕方に中央バスターミナルに着いた。

土楼に行くのが目的、日は落ちかかっていたけど、できれば今日土楼までたどり着きたい。
ちなみに隣町、永定にはここから20元でいける、という看板を発見。

しかし、このバスターミナルには土楼へ向かうバスは発着していないとのこと。
切符売り場の女性に聞くと、旧バスターミナルへ行けと。
この町には2つ大きなバスターミナルがあるらしい。
バイタクがたくさん止まっていたので、旧バスターミナルまで連れて行ってもらうことにした。
片道10元。安い上に、なにより風を切って走れるバイタクの爽快感は半端ないから、ぼくは好きだ。タクシーよりずっと。

行く途中に龍岩駅を通過する。帰りの電車チケットはすでに買ってあるから、ここに来れさえすれば帰れる。

旧バスターミナルは市内のど真ん中にあり、この町の交通の中心であることがわかる。
かなり古ぼけた建物だけど、人がたくさんいた。
ここからも広州(夜行)、深セン(朝便)へバスが一本ずつでている。アモイにはたくさんの便が出ている。

だけど、土楼への終バスはもう終わってしまったとのこと。
まあ、この時間に土楼まで行っても泊まる場所が見つかるか不安だから、今日はここまでで諦めよう。
龍岩から土楼行きの始発は朝7時。22元。
実は土楼というのはみんなで住むマンションみたいなものだから、特別なところにしかないわけじゃなく、
至るところにある。
しかし、保存状態がよく、立派なものが密集していて、見学でき、そのため観光地化されている場所は何か所かに限られており、
龍岩で土楼といえば、洪坑土楼景区のことを指すらしい。土楼見学で誰もが行く、ハイライトだ。

もう時間も遅くなってきているし、一泊するだけだから設備とか値段も大して気にしない。
とりあえずバスターミナルに近いところにある宿をとろうとその辺をブラブラし、二、三件回ってここに決めた。
興龍ホテル。バスターミナルから徒歩5分。

中はこんな感じ。普通にギリ女性と泊まれるレベル。ってか、たぶんここ、ラブホ的な需要を取り込んで生きてるホテルだ。
コンドームも置いてあった。 80元出せば、ここ龍岩ではそこそこ普通のホテルに泊まれるのかもしれない。

トイレはこんな感じ。

ホテルの従業員も愛想がいいし、このボロホテル、気に入った。

町は結構栄えている。このまま寝るのも勿体ない気がしたので、龍岩を少し探検してみることにした。

一本裏に回ると、こんな露店街がある。

野菜が売ってる。

肉系の惣菜屋も立ち入るのに勇気がいる感じ。


きっとここも数年前までは何てことないボロくて古い町だったんだろう。
中国は確実に発展している。地方都市も含めて一気に。
都会的生活と、昔ながらの下町が時代の移り変わりの中で、一時だけ混在している。
日本でいう昭和の高度経済成長時代みたいな感じ。
そんな期待に混じって、郷愁と、惜別の思いを感じさせてくれる雰囲気が僕は好きだ。
建設中の巨大ビルの手前で、せっせと農作業に励む人がいる。
この劣悪環境で健やかに育つ野菜。僕は食べたくない。
いくら頑なに昔ながらの生活を守ろうとしても、こうまで追い詰められたらもうお手上げだ。

巨大ショッピングセンターの明かりが煌々と灯る。

でも中に入ると、空き部屋だらけのがらんどうだったりする。
中身が追い付いていない張りぼての経済発展。

この町で一番おしゃれなのは、この献血屋だった。さすがに怖くて献血したくないけど。

だけど町の開発は止まらない。
開発すること自体が経済を回しているからだ。
そこに何ができるか、実際に利用されるかはあまり重要ではない。

がらんどうの隣に比較的営業してそうなデパートを見つけたので入ってみた。

韓国式寿司というのに非常に興味をそそられる。入って食べてみたい。決して安くはない。
寿司はここでも高級品。だけど、こんな内陸、ましてこの名前。
結果は目に見えているので、せっかくの空腹をここに使うのはやめた。

これは初めて見る。カートごと乗れるエスカレーター。無駄に長い長い。

あたりまえだけど、レストランを選ぶときのコツはどれだけ人が入っているか。
この鍋レストランはたくさんの人が待っていた。30分待ちと言われたけど、即決する。ここで食べる。

この魚鍋、酸っぱくて濃厚でうまかった。しめて130元。約2000円。

隣の中国人が話しかけてきた。
「どこから来たの?日本人ですか?」
彼女はこの店がお気に入りとのこと。
何となく、人も、町も、雰囲気は深センとか華南地方と変わらない気がした。
9時間バスに揺られて、ずいぶん遠くまで来た気がするけど、そんなに遠くまで来ていなかったのかもな。
世界はどんどんどんどん小さくなってる。
人と人の違いも薄れてきて、みんなが地球人になりつつある。
そんな世界では民族の差とか文化の差なんて些細なものになってしまう。
個人の性格や気質の差のほうがずっと大きい。
僕はそう感じている。
香港を脱出しても一日移動したくらいじゃ、そこは大して変わらない。
最後に、、レストランで求人広告を見つけた。
この辺では、給料は多くても4500元くらい。マネージャークライスでも9万円に満たない額。
中国の物価は高くなっていると思ったけど、まだまだ一般庶民は厳しい生活をしているみたいだ。


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