香港経済の実態はどうなっているのか?
これは香港でビジネスを始めようとする人にとっても、
既にビジネスをしている人にとっても関心事だと思う。
普段生活していれば、活気があるかないか、雰囲気は肌で感じることができるけど、
マクロ的な情報は資料を探しにいかなければつかめない。
香港日本人商工会議所が作成した「香港経済の回顧と展望 2014」の総論に掲載されていたデータをここに纏める。
GDPは現在2%代の成長率で推移している。中国が7%であることに比べると、香港は極めて先進国に近い伸び率であり、
成熟経済の局面に入っていることがわかる。
物価上昇率はGDP伸び率を超えて3%代だけどこれは住宅価格高騰の影響によるものらしい。
実際に消耗品や食べ物の値段はそんなに変わっているようにみえない。
むしろこの表から、家政婦の値段が4000HKD程度であることに驚く。
月5万円も払えば家事、育児をやってくれる人を雇えるわけだ。
つまり、主婦の労働価値は香港では60万円程度ということである。
香港は失業率が3.3%と、低い水準。仕事は沢山あるらしい。株価はここ数年あまり伸びていない。
コンテナ取扱量は港の重要性を評価するのに役立つ。
上海、シンガポール、深圳は取扱い量が上昇しているのに比べ、香港は減少傾向が顕著だ。
深圳に比べて、香港はコストが高いらしく、周辺港に客を取られているのが実情。
今後、物流拠点としての香港の地位はどんどん低下していく見通し。
香港に進出している外国企業で最も多いのはどこ?
この答えは日本だ。2013年に米国を抜いて一位に躍り出た。
香港における日本のプレゼンスは非常に高い。
業種は「貿易・卸売・小売」、「人材派遣・コンサルタント等」、「金融・銀行業」の順に多く、全体の8割を占める。
これら企業は中国本土へのビジネスを主目的として置かれているものも多い。
ただ、日本企業はどちらかというと、地場対象ビジネスが盛んになりつつあるらしい。
小売のユニクロ、日本食レストラン・ラーメン店など、流通・小売りサービスの店舗展開が特に目立つ。
香港のアジアにおけるビジネス拠点としての地位は、短期的には変わらないけど、
不動産価格の高さによる不利、中国の政策も相まって、次第に広州、深圳など周辺大都市にその役割の一部を移していくだろう。特にこうした傾向は貿易、物流関連から進んでいきそうだ。
一方で、金融やビジネス拠点としての地位は引き続き維持、拡大されていく。
なんてったって、香港は香港。外国人が住みやすいし、中国との民度の差は一朝一夕に埋まるものじゃない。
今後も、先進国と同じように比較的緩やかに経済は安定して拡大していくものと思われる。
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