大坑舞火龍 Thai Hang Fire Dragon Dance Paradeを見に行ってみた


日本にはお月見の文化がある。
それはどこから生まれたのか。たぶん中国で生まれて日本に伝わったのだろう。
そんなこと意識もせず、日本人の生活にお月見は溶け込んでいる。
秋の十五夜には満月をみんなが見上げる。
もっとも、都会に住んでいると月なんか見る機会はほとんどないのだけど。
ここ、香港でも9月の中秋節は大切な日だ。
親族で集まってご飯を食べ、親密で温かい時間を過ごす。
みな、月餅を買って、親しい人に渡し合う。
僕ももらった。あまり好きでないので、冷蔵庫にいれていたら、先日干からびたのがでてきた。
Wikipediaでも以下のように紹介されている。
香港の公衆休日は旧暦8月16日(中秋節の翌日)となっているが、幾つかの学校や会社は8月15日の午後から休みとする。人々は月餅を買う他、サトイモやスターフルーツやヒシを買ってお祝いをする。近年の香港では様々な新式月餅が起こり、特に冰皮月餅(アイス月餅)が流行している。夜には公園で市民がろうそくを灯し、灯籠を掛け、煲蠟(大量の液化したロウに水をかけ、水蒸気と火炎が盛り上がるさまを楽しむ)で遊ぶ者さえいる。しかし安全のため香港政府は1990年代初頭より、厳しく取り締まっている。香港の主要な公園には、大小の灯籠を飾り、気分を盛り上げる。
銅鑼湾の大坑では、火龍の舞を3日続けて行う。これは客家の習慣で、旧暦8月14日から16日の3日間続けて行い、災いを消し貧乏から逃れることを願う。また、年長者に長寿麵を、年少者に豬仔餅を送る習慣がある地区がある。
9月27日の夜。僕はこの大坑舞火龍を観に、夜中一人でコーズウェイベイのヴィクトリアパークに行った。
4年近く香港にいるけど、これを見に行くのは初めてだった。

ヴィクトリアパークでは、ランタンフェスティバルが催されていた。
ずいぶん遅い時間なのに、そこにはたくさんの人がいた。

夜にランタンのオブジェ達が煌々と輝いている。

何かショーみたいなものも行われていた。

よくわからない展示物も。

街を練り歩いた火龍は最後にこのビクトリアパークにたどり着き、舞いを踊ってくれるらしい。
その儀式が始まるのは夜も更けた遅い時間。

綺麗な電飾を見ているひと、女の子と一緒に来れたら良かったのにと思ってしまう。

10時半になり、ようやく会場で儀式が始まる。
広東語がもっとわかれば楽しめるんだろうけど、偉そうな人の挨拶みたいな式進行を見ているのは退屈だ。

ふと見上げると満月が綺麗だった。

そして舞が始まる。
藁で作られた長い龍はたくさんの男衆に棒で支えられ、生きているように動き回る。
藁には無数の線香がさしてあって、それが龍の顔、体を形作る。
こういった伝統儀式を観るのは面白い。

ただ、5分もすると飽きてしまった。
かつて、真っ暗な夜中に、線香の光で浮かび上がって練り歩く龍を見て、人々は感動したことだろう。
だけど、現代。夜はあまりに明るくなってしまった。
線香の光は、消えそうなくらいはかなく見えた。


沢山で店も出ていて、ローカルなお菓子なんかが売られていた。


ランタンも十分に見て、ふと芝生のほうへ足を向けてみた。
そこでは、沢山の人たちがシートをひいて、ろうそくを灯し、夜空に浮かぶ丸い月を眺め、団らんを楽しんでいた。


香港では、こうやってお月見を楽しむんだ。
もう時刻は12時近い。この中秋節の夜は長い。
みんな、どんな会話に花を咲かせているんだろう。
また一つ、香港の文化を知った。


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