嫌いな人を痛めつける呪術


コーズウェイベイの高架下に、何人かのおばちゃんがいつもいる。
簡単な仏壇みたいなものが置かれて、何やらスリッパでバンバンやったり、燃やしたりしている。
これは俗にいうスリッパ占いと呼ばれるやつらしい。
なんのためのものなのかずっと知らなかった。
よくある占いの一つかと思って特に気にもとめず通り過ぎていた。
聞くところによると、これは嫌いな人をお祓いをしてくれるところらしい。
スリッパでバンバン叩いたり、紙を燃やしたりしているのは、その嫌いな人を痛めつけるための行為なのだ。
なんとも、不健全な。
いや、健全なのか。
生きていれば、気に食わない人、嫌な人と出会うことは避けては通れない。
その不満や怒りのはけ口を本人に向けたら角が立ってしまうし、
腹の中に溜め込んでいるのは健康に良くない。
下手したらうつ病になってしまう。
こういう儀式を行うことで少しでもその気が晴れるなら、
ここに座っているおばちゃんたちは、世の中を平和にすることに一役買っているのかもしれない。
いつも心おだやかに生きていきたいと願うけど、
いつか消せないわだかまりが溜まったら一つお願いしみても良いかもね。


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