100万ドルの夜景をバックに、夜風にあたりながら、お酒を楽しむ。
香港ではそんな楽しみ方ができます。
何十階もの高さのビルの上にオープンテラスバーがある。
外への仕切りは驚くほど低く、ビール瓶を落とそうと思えば簡単に落とせてしまうし、
人も簡単に飛び降りることができる。
お酒なんか飲んで酔っ払ったら、ふと気の迷いでジャンプしてしまいそうだ。
庶民でも、上流階級になった気分を味わえる素敵なバーが香港には数多くある。
最も有名なのはここだろう。
SEVVA
目の前にどーんと聳えるHSBC本店を仰ぎつつビールが飲める最高のロケーションの一つ。
仕事終わりにこんなところで軽く一杯飲んでいるとき、
全然うだつがあがらなくても、香港に来て良かったと思えてくるのは面白い。
日本ではこういう場所は、ない。
ふざけた若者がビール瓶を投げ落とすかもしれないし、
それ以上に、自殺してしまう人がたくさんいるから建築法で認められていないのではないか。
自殺率っていうのは明らかに国民性がでているわけで、
日本は堂々たる世界12位。10万人に21.7人が死んでいる。
香港は10万人に12.2人でおよそ半分だ。これは世界で40位くらい。
2分の1の割合だから、かならずしも飛び降りる人がいないわけではないだろう。
しかし香港にはこうした素敵なバーがある。
この差は大きいのではないかと、しみじみと思う。
日本は規制大国だよね。
なんでもかんでも禁止される。
しかも人の眼、社会常識という眼に見えない束縛が非常に強い国。
平均からはみ出ることを良しとしない国。
日本は好きだが、帰りたくない。
それは、ものすごく息苦しいから。
それがこんなバーがあるかないかにも現れているように思う。
規則、規則、規則で縛って、何か大切なものが失われていないだろうか。
それは、純粋に生の喜びといえるものかもしれない。
それが絶対的に日本には欠けている気がするのは僕だけだろうか。
香港の、こんな眺めが良くて、気持ち良いバーで、自殺しようと思う人はいない。
殺風景で寂しいビルの屋上から、今日も自殺する日本人がいる。
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